患者さんの声「私のがん体験記」

患者さん の体験談

患者同士の支えあいの場で元気になれた

患者同士の支えあいの場で元気になれた

執筆者 : 本人
性別 : 女性
年齢 : 52歳(診断を受けた時の年齢44歳)
疾患名 : 卵巣がん (タイプ:明細胞腺がん)

職場を退職して
何の自覚症状もないのに、お腹の左側に膨らみを感じて近くの病院で診察を受けました。医師から「エコーで左の卵巣が大きく腫れている。がんかも知れません」と言われ、まさに晴天の霹靂でした。
卵巣がんで明細胞腺がんと判ったのは術後1ヶ月経ってからでした。このタイプは抗がん剤が効きにくいと言われ、再発予防のためもう一度開腹手術でリンパ節の郭清をしました。その後の抗がん治療で脱毛や手足の痛みなどの副作用もあり、仕事は半年間休職して治療に専念しました。職場からは理解をいただき復職を勧めていただきましたが、過酷な治療で体力的に自信を失い退職しました。

つらい気持ちが続くときには
専業主婦となり日常生活に戻りだした頃、自分は社会のなかで「必要のない人間になってしまった」という自信喪失、病気について誰にも相談できない孤独感など様々な思いが交錯して、精神的に辛い時期が続きました。台所で訳もなく泣きだしたり夕食を作るのに3時間もかかったり、「自分は生きていても仕方ない」と思う日々が続きました。「死んだら楽になれるかな」と思うようになり、さすがにこれではいけないと専門の病院で抗不安剤をもらい、ようやく気持ちを立て直すことができました。

今を大切に生きる
この頃、病院の医師から「がん患者会を作りたいので参加しませんか。」というお誘いがあり、呼びかけに応えた8人の仲間と試行錯誤しながら患者会を発足させました。皆さんとは同じ痛みを共有し励まし合い慰めあって、「今を大切に生きる」ことがどれほど幸せなことであるか実感する日々でした。がんで失ったものも多かったですが、新たに得たものも沢山ありました。
「がんに打ち克つ」「がんに負けない」という言葉をよく聞きますが、私には少し違和感を覚えます。残念ながら旅立って逝かれた仲間もいますが、『がんに負けた』わけではありません。その人なりに全力で懸命に生ききった姿は皆さん輝きを放っていました。
今私は患者支援のボランティアをさせていただいています。病気になってはじめて『孤立することの怖さ』を実感しました。支え合う地域の輪が広がってゆくことを願っています。

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